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 Crossroad 第2回 「時は金なり(Time Management)」 文/吉田 良治

  日本で生活をしていたころは、朝7時くらいに起きれば、その日の一日は乗り切れました。私が大学を出て初めて就職した企業では、朝から全社員で一斉に社内の清掃で一日が始まりました。始業は9時30分でしたが、清掃のため普段から30分くらい早めに出社していました。もともと朝寝坊をする方ではなかったのですが、アメリカでの生活が始まると、これまでの生活習慣は一変しました。
 学生スポーツの指導の現場となると大抵は放課後、これは日米問わずどちらかというと一日の後半にあります。しかしアメリカでは大学スポーツの活動は早朝から始まります。朝は5時前に起きないと間に合いません。といっても通勤がさほど時間のかかる話ではなく、私の場合自転車で丘を下れば、7分ほどで職場に到着します。大学スポーツに限らずアメリカでは、朝早くから働く風習があります。朝の通勤ラッシュは大抵5時過ぎに始まり、夕方は早ければ3時過ぎに始まります。
 コーチのミーティングは7時から始まりますので、その準備などで少し早めにオフィスに入っていたのですが、いつの間にか出社時間は毎朝5時30分くらいになっていました。一日の時間を有効に使う国民性が出ているのかもしれませんが、大抵6時過ぎには多くのコーチは出社してきます。コーチだけでなく学生アスリートたちも、6時くらいからウェイトトレーニングを始め、一汗かいて授業に行きます。
 一日がこうして始まり、夜は11時ごろまでミーティングが続きます。そして家に戻るころには日付が変わっていました。毎日この生活を続けていると、自然と身体に生活習慣として刻まれていき、いつの間にか目覚ましよりも早く起きることができます。こうした生活日を2年もすれば目覚ましなしでも、4時過ぎには目が覚めてしまいます。
 日本では早起きは三文の徳! といわれていますが、一度この習慣が身についてしまうと、そう簡単には手放すことはできません。京都産業大学でアメリカンフットボールのコーチをしていたころ、合宿で5時起床を実施し、毎朝散歩とストレッチングをし、朝食前にミーティングをしていました。1週間もこの生活を続ければ、合宿から戻ってからも、学生たちは毎朝5時に目が覚めるのだそうです。こうなればしめたもの、それまでは昼過ぎまで寮で寝ていた学生も多かったのですが、朝一番から授業に出席する学生も少しずつ増え、また授業前にウェイトトレーニングをする学生も出始めました。留年率も高かったチームに良い生活習慣が根付き、大学生の本分である学業成績にも良い効果が出始め、留年率は大幅に改善されました。

Good habits are the foundation of success of many great men, and bad habits are the cause of the ruin of many great empires. Habits are good servants but bad masters.

 良い生活習慣を身につけることは、一生自分の人生を支えてくれます。良い生活習慣は決して自分を裏切りません。私がワシントン大学で最初に気づかせていただいたこと、そして一生大切にできることは、良い生活習慣を持つことでした。その最初の一歩目がTime Management でした。(つづく)

吉田良治さんプロフィール
 1962年生まれ。1998年にワシントン大学へコーチ留学、2000年リーグ制覇、2001年ローズボウルに出場し、ローズボウル制覇に貢献。国家レベルのリーダーシップ教育に貢献した、ランブライト元ワシントン大学ヘッドコーチよりリーダーシップ教育を学ぶ。
 全米の大学で人格形成プログラム普及に貢献した、ライス元ジョージア工科大学体育局長よりライフスキル教育を学ぶ。
吉田良治さんBlog http://ameblo.jp/outside-the-box/




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