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【GAKURINSHA TOPICS】学習指導の行き先 先生と生徒−距離感を考える

 現在、先生や親の指導・助言に素直に従わない子どもや、目標に対してどう行動すべきかを主体的に考えることができない子どもが増えています。これは、指導する側と指導を受ける側との間の距離感が問題であると考えられます。先生と生徒、親と子どもの距離感について、それぞれの現状を分析し、子どもが目標に対して主体的に考え、行動するように指導する「コーチング」ができる距離感を解説します。

□先生と生徒、親と子どもの距離感の現状と問題点
 現在、先生と生徒の距離感における主な問題点は2つあります。1つは、先生が生徒に高圧的な態度をとることで、生徒に意見を言う隙を与えず、強引に従わせることです。一見、生徒からは不満も出ず、先生の言うことを素直に聞いているように思えますが、生徒の自発的な考えを引き出す指導ができていません。生徒が何か意見をもっていたとしても、高圧的な態度でおさえつければ、生徒は考えること自体を拒否し、ひたすら先生の言うことに従いさえすれば良いという姿勢になります。
 もう1つは、先生が「生徒に好かれれば指導しやすくなる」と考え、生徒と友達のように仲良くすることです。この方法は、生徒が自分の意見を先生に伝えやすくなり、目標に対して主体的に考え、行動することはできるようになります。しかし、友達のような距離感になり、緊張感がなくなると、先生が正しい方向に指導しようとしても、生徒は反抗的な態度をとりがちです。その結果、先生は十分な指導ができません。
 この2つの問題点は、親と子どもの距離感にもあてはまります。高圧的な態度で子どもを指導する親は、昔に比べて減少しています。むしろ、親と子どもが友達のような距離感を築く家庭が増加しています。いわゆる「友達親子」と言われる関係です。子どもと仲良くしたい、嫌われたくないという思いが強いことから、親が子どもの言うことを何でも聞いてしまい、自分の子どもの言うことは常に正しいと思い込んでしまうのです。「モンスターペアレント」が現れるようになったのも、この親と子どもの距離感が原因の1つであると考えられています。

□先生と生徒、親と子どもの良い距離感
 先生が生徒をうまく「コーチング」するには、先生と生徒が互いに対等であり、少し緊張感のある距離感が良いでしょう。先生が生徒一人一人の考えを尊重し、生徒が主体的に考え、行動する環境を整えれば、生徒の自分で考える力は伸びます。また、生徒も先生と対等な立場であり、先生は的確なアドバイスをしてくれる存在であると生徒が認識すれば、たとえ先生が自分の考えとはちがうアドバイスをしても、拒否せず、素直に受け止めるはずです。
 親と子どもでは、少し緊張感のある距離感というのは難しいので、親は子どもを一人の人間として対等に扱ってあげましょう。そうすれば、子どもは「自分は認められている」と考え、親に対する信頼度が上がります。そのような関係になると、子どもは親が指導しても、「自分にアドバイスをしてくれている」と感じ、素直に聞いてくれるでしょう。(文/学林舎編集部)