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教材出版 学林舎は学習教材の制作・販売、教育商材(理科実験工作教材・アメリカの教科書など)を取り扱っています。

○Cross Road 第71回 アメリカの大学を目指しはじめた日本の高校生アスリート 文/吉田 良治

  昨年、高校生陸上選手だったサニブラウン・ハキームが、アメリカのフロリダ大学に進学することが発表されました。怪我のためリオオリンピックに参加できず、その間、他の日本人短距離選手たちはリオオリンピックで100m×4 リレーで銀メダルを獲得。
 サニブラウンは、完全に主役の座から遠ざかっていました。サニブラウンはケガの回復後、海外での調整を経て、今年の陸上日本選手権では100m と200m の2種目に出場し、圧倒的なスピードでリオオリンピック銀メダルメンバー全てを撃破、二冠を達成しました。そしていよいよ秋にはフロリダ大学に入学します。
 今月7 月7 日読売新聞朝刊に、『米留学・文武両道狙い』という特集記事が掲載されました。記事の内容はサニブラウンのフロリダ大学留学が中心ですが、ほかにもバスケットボールで渡辺雄太(ジョージワシントン大学)、八村塁(ゴンザガ大学)、アメリカンフットボールの庄島辰尭(UCLA)、サッカーでは既に大学を卒業し、アメリカのプロリーグで活躍している遠藤翼(メリーランド大学)と、様々な競技の日本人選手の紹介がありました。さらにサニブラウン同様この秋にアメリカへ留学予定の女子アイスホッケーU-18 日本代表の佐野月咲の紹介もありました。彼女が進学するのはハーバード大学です。ハーバードと聞くと世界トップクラスの難関大学で、スポーツというイメージは薄い印象ですが、オリンピック選手はもちろんプロアスリートも数多く輩出しています。そしてハーバード大学女子アイスホッケーからは、ソチオリンピックで銀メダルを獲得したアメリカ代表に4 名送り出すなど、大学女子アイスホッケーではトップレベルにあります。
 アメリカの大学スポーツは原則学業優先で、学業成績が基準を満たさないとスポーツに参加できません。そのため、まず学業でその基準を満たすことが最優先となります。ここで読売新聞の記事、その肝ともいえる部分を紹介しましょう。サニブラウンが進学するフロリダ大学の先輩でもある、プロゴルファーの東尾理子の経験談です。彼女は初年度最初の学期で学業成績の基準を満たすことができず、練習に参加できなかった苦い経験を告白しています。つまりアメリカの大学スポーツに参加するということは、まず学業で優秀でなければスポーツ活動には一切かかわれないということです。日本ではまだまだ学業への意識が薄い分、スポーツ偏重という風土が根付いており、学業でスポーツ参加が制限されることに違和感を持たれるかもしれませんが、アメリカではこれがスタンダードの考えです。
 東尾理子の経験談でも、勉強が主、ゴルフが息抜き、という感覚だったそうです。それでもスポーツで優秀な成績を収め、大学の殿堂入りまで果たしているのですから、スポーツでいい成績を収めるために、学業を疎かにするということは当てはまりません。“ 学業優秀で自信”という東尾理子の言葉がすべてを物語っています。
 この記事を担当された記者は、昨年末からアメリカの大学スポーツについて取材をいただき、大学の授業も聴講に来ていただきました。そこで私がお伝えしたことは、まずは経験した者の話を取り上げてはどうか、ということで、今回の記事でフロリダ大学留学経験者の東尾理子の経験談の掲載となりました。(つづく)


吉田良治さんBlog
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