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【GAKURINSHA TOPICS】2018年教育の行き先 自己評価について考える

 文部科学省が発表した新学習指導要領では、今後の学習現場においては、児童や生徒が自己評価を高めて学習していく必要があると述べています。自己評価とは、自分自身で自分についての評価を行うことです。自己評価によって、自分のよいところや可能性に気づき、児童や生徒が主体的に学習に取り組む意欲を高めることができます。しかし、現在の学習現場では、児童や生徒が自己評価できる状況が確立されていません。その理由はおもに2つあると考えます。
 まず1つ目は、近年のインターネットやSNSの急速な普及です。ブログやツイッター、フェイスブック、インスタグラムなどによって、だれでも気軽に自分の意見や考えを不特定多数の人々に伝えることができるようになりました。しかしそれと同時に、自分の意見や考えを不特定多数の人々から批判・非難されることも多くなりました。そのような状況のなか、わたしたちは他人や世間の目に過敏になり、自己の評価よりも他者からの評価を重視する傾向があるのではないでしょうか。最近話題になっている「インスタ映え」も、他者からより良く思われたい願望によるものです。特にインターネットやSNSが当たり前のように生活の一部になっている若い世代には、この傾向が顕著に表れています。このような状況では、自己評価を行い、また自己評価を高めることはきびしいと考えます。
 2つ目は、学習現場における先生の自己評価の経験が乏しいことです。先生たちが児童や生徒のころは、自分ではなく先生の評価が絶対であり、通知表の5段階評価や10 段階評価も他者と比較して判断されることがほとんどでした。そのような環境のなかで育った先生たちも、自己評価の方法がわからず、実は戸惑っていると思われます。自己評価の方法がわからない児童や生徒を、先生が導いてあげることができないのが現状です。
 この2つの理由によって、現在の学習現場では、児童や生徒が自己評価できる状況を確立することができないと考えられます。それでは、どうすれば児童や生徒が自己評価できるようになるのか、その解決策として次の方法を提案します。

○先生が自己評価するようすを、児童や生徒に見せる
 児童や生徒が自己評価できるようになるには、まずは手本を見せたほうがよいでしょう。先生たちが自己評価する力を身につければ、児童や生徒にも教えることができますし、「先生もやっているから大丈夫」と安心感をあたえることができます。

○児童や生徒の意見を肯定する
 児童や生徒は、自分の意見や考えが他者から否定されることをおそれているので、先生が児童や生徒の意見や考えを肯定してあげることが重要です。例えば、児童や生徒が自分の意見や考えを発表したとき、先生は否定するのではなく、いったんできるだけ肯定し、そのあとにアドバイスをふくめた改善点などを伝えてあげれば、児童や生徒が他者の評価を気にせずに、自分の意見や考えをもちやすくなります。(文/学林舎編集部)