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算数数のほんねシリーズの制作理念は「『算数の勉強・・・・』 どうすればいいの?」が原点であり、根幹にあります。算数を効果的に勉強する方法は、世にたくさん紹介されています。しかし、ある1つの勉強方法が、誰にとっても「効果のあがる」ものとは限りません。「勉強」は人がすることですから、誰もが同じ結果を得られるとは思えません。 そもそも、「算数を勉強する」とは、どういうことなのでしょうか? 「算数の勉強とはどういうものか?」について考えておかなければ、いくら良い勉強方法を用いても、「効果的」にはなりません。 「算数の勉強」には,大きく3つの要素があると思います。 3つの要素とは、「知識」「技能」「認識」です。3つの要素をバランスよく取り入れた勉強が、「効果のあがる」勉強といえます。 ![]() 例えば、同分母の分数のたし算で、子どもは「分母はそのままで、分子だけをたしたらよい。」と覚えます。 2/6+3/6の答えは5/6です。子どもはコツさえつかめば、どんどん速く計算できるようになるでしょう。 次に、3/4+3/8 の計算がでてきたとします。何も説明しなければ、子どもはいろいろな間違いをするでしょう。 例えば、3/4+3/8=3/12と書いて、「分子はそのままで、分母だけをたした。」と言うかもしれません。そこで、異分母の分数のたし算について、ルールを説明することになります。問題を解くには、ルールをしっかりと覚えておかなければなりません。ルールを忘れないように繰り返し練習すれば、身につけることもできます。もし、ルールを忘れてしまったら、問題を解けなくなってしまいます。「知識」と「技能」だけで「算数の勉強」をしていくと大人になって、分数ができないということにもつながります。 こういった勉強では、「認識」が欠けています。もう一度、分数のたし算を考え直してみましょう。 2/6は1/6の2こ分、3/6は1/6の3こ分。2/6と3/6をたすと、1/6の5こ分。答えは5/6です。 では、3/4と3/8では、どうでしょうか。 3/4は1/4 の3こ分、3/8は1/8の3こ分。3/4と3/8 をたしたら、1/4の何こ分? それとも1/8の何こ分でしょうか? それとも、どちらともいえないでしょうか? 2/6と3/6のたし方は知っている。だから、その考えを使って、3/4と3/8のたし方を考えられるはずです。知っていることを使って、新しい考えを獲得しようとする過程で、子どもは「認識」します。 新しいことがらを、知っていることがらと見分ける。そのために、何度も本を読み返し、はっきりとした意味をつかもうとする姿勢が、子どもの概念の世界を広げます。それが「認識」するということです。 子どもは学年が進むにつれ、次々に新しいことがらを学ばなければなりません。それは、新しいことがらに対応していく力を要求されるということでもあります。「知識」と「技能」だけで勉強していたのでは、新しいことがらを学ぶたびにルールが増えていきます。覚えるにも限界があります。「認識」せずに「知識」と「技能」だけを向上させても、勉強の意味はありません。「認識」されていないルールは、簡単に忘れられてしまうものです。 多くの子どもたちは、算数の勉強において「速く正解する」ことに意味があるという偏りすぎたイメージの中で学習しています。もちろん、速く正解できることは良いことなのですが、じっくりと意味を考える時間をもつことが、速く解く以上に大切なことです。 算数の勉強はふつう、次の順序で行います。 1.もとになる考えを知り、その意味を理解できるよう努める。 2.その考えを使って問題を解き、理解を深め、覚えていく。 しかし、「速く正解する」ことのみを目的とした勉強では、問題を解くための個別的な「方法を覚える」ことに終始してしまい、いろいろな「考えを構成する」ための過程がおろそかになります。 そこで、「算数のほんね」では、意味を考えて構成していくことに主眼をおき、子どもたちがバランスのとれた学力を身につけられるように制作しています。 多くの子どもたちは、次のように思っているのではないでしょうか。小数と分数は、表現のしかたが違うだけで、同じものを指しているはずなのに、小数は「カンタン」、分数は「ムズカシイ」と思えるのです。 それは、小数は整数に近い感覚であつかえるような表現であるのに対し、分数は二つの整数を用いた独特の表現をするからなのでしょう。 例えば、0.3は0.1が3個集まった数で、3/5は1/5が3個集まった数です。 つまり、0.3は0.1を*単位とし、3/5は1/5を単位としてつくられています。 このように、小数と分数はどちらも単位の考え方からすれば、「同じしくみの数」とみることができます。 小数と分数を関連づけて学習することは、子どもの理解を深めるのに効果的です。 なぜなら、小数と分数は単位を通じて同じしくみをもつので、両者が補い合いながら子どもの理解を促してくれることを期待できるからです。 小数と分数をバラバラに学習したのでは、「もったいない」のではないでしょうか。 また、新しい算数知識を学ぶときは、言葉や図を用いて思考をめぐらせることが大切です。例えば、数のきまりにはいろいろな考え方がふくまれていて、それらの考え方を様々な切り口から味わっておかなければ、算数を学習する意義が失われてしまいます。子どもたちは、計算のやり方(ひとつの正しさ)にとらわれがちで、その計算の意味(いろいろな正しさ)を考える機会を失っていることが多々あります。 小数と分数のしくみを、言葉や図を用いて内面化することで、子どもは計算法則にいたる道のりを主体的に歩んでいくことができます。 *単位−量を数値で表すための基準となる、約束された一定量のこと。
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