2018.09.14

2018年子どもと大人の行き先
習慣化できる子とできない子

 子どもが自立して学習し、学力をつけていくためには、日々の家庭学習を習慣化していくことが欠かせません。しかし、家庭学習を習慣化できる子と、できない子がいます。この差はなぜ生まれてくるのでしょうか。今回は家庭学習の習慣化について、学習時間と学習環境に着目して見ていきます。
子どもが勉強をすることが好きであれば、進んで勉強をするでしょう。しかし、常に勉強をしたいと思っている子はなかなかいないでしょう。そのため、学習を習慣化するには、子どもが勉強をしたいと思えない時に、いかに勉強をするようになれるかが重要なポイントになってきます。

 1つめのポイントは、勉強をする時間と場所を決めておくことです。例えば子どもが、少し遊んでから勉強しようと思っていたが、夢中で遊び過ぎてしまい、気がつくともう遅い時間になっている。仕方ないので勉強は明日することにしよう、と思うことはよくあります。そこで、1日のうちで何時から何時まで勉強する、と決めておき、しっかり守っていくことで、そのようなことを防ぐと同時に、学習の習慣化につながります。ここで重要なことは、無理のない学習時間を設定することです。長すぎてすぐに続けられなくなるような、明らかに無理のある時間設定はよくありません。また、もし何かの事情で決めた時間が守れなくても、あきらめずに続けていきましょう。重要なのは、短い学習時間でも、継続して習慣化につなげることです。

 2つめのポイントは、学習環境を整えることです。例えば、取り組んでいる問題がわからず考え込んで進まない時、近くに置いてある漫画本に手が伸びて読み始めて勉強をしなくなる、というような経験をした人もいることでしょう。この場合、近くに漫画本があることが問題なのです。漫画本、ゲーム、テレビ、パソコン、スマホなど、現代の家庭には子どもの気を引くものであふれています。勉強をする気になれない時、なかなか集中できない時に、それらは格好の誘惑材料になります。そのため、勉強部屋には、できれば勉強に関わる物以外は置かないことです。少なくとも、自分が好きで気を引かれるものは決して置いてはいけません。勉強部屋と、遊んだり休んだりする部屋を別にすることで、勉強と遊びの間に、時間的、空間的に区切りをつけるのです。

 それでも、特に今まで学習の習慣がなかった子は、なかなか集中力が続かない日もあるでしょう。そのような日でも、決まった時間に決まった場所に座る、というだけでも続けることが重要です。学習のための空間をつくることができていれば、学習に集中できない状況になっても、他のことができる環境にありません。そこで、学習する教科を変えてみよう、学習のやり方を変えてみよう、というように、その子なりの工夫もでてくるかもしれません。
 学習の習慣化を目指す時、先にも述べた通り、できない日があってもあきらめずに続けていくことが大切です。そして、毎日の歯磨きのように「やらないと気持ち悪い」と思えるようになれば、学習の習慣化は成功です。そのためのポイントは、時間を決めること、勉強する部屋の環境整備、そして、続ける意識です。これらのことをしっかりとできていないと学習の習慣化はできません。これが、学習を習慣化できる子とできない子の差となり、学力の伸び方の差ともなって表れてきます。                (文/学林舎編集部)

【学習習慣・リズムをどうつくっていくか!?】
 大人になればよくわかるのですが、「子どもの時に学習習慣・リズムがしっかり身についていれば、もっと“学ぶ”ことに対して苦労しなかった」と。
成長する思考力GTシリーズを継続的にご利用いただいき効果を実感しているお子様の話をお聞きすると「朝、学校行く前の30~40分を毎日」「夕食前の30分を毎日」など。これは、すべての“学び”に通じる“継続は力を生む”につながっていきます。
子どもの時の生活習慣・リズムはもちろんのこと、学習習慣・リズムを身につけられるかが“成長の鍵”といえます。(北岡)