2018年教育の行き先 中学校英語「話すこと」調査
平成31年4月18日に実施予定の全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の中学校3年生対象の英語では、「聞くこと」「読むこと」「書くこと」「話すこと」を問う問題が出されます。今回はこの「話すこと」調査について紹介します。
[実施方法]
文部科学省が平成30年10月に発表した内容によると、「話すこと」調査の所要時間は生徒1人あたり10~15分程度(準備時間5~10分程度を含む)の予定です。実施方法としては、各生徒がマイク付ヘッドフォンを使い、PCやタブレット上の指示に従い発話します。その発話内容を録音し、データ回収、採点といった流れになるようです。
[平成30年度予備調査について]
平成30年5月に実施された予備調査の「話すこと」では、3大問が出題されました。大問1では、絵や動画についての英語の質問を聞き、それに英語で答える問題です。解答時間は10秒です。大問2では、自分を含めた3人で話しているという設定のもと、自分以外の2人の会話を英語で聞き、その内容に関する質問に英語で答える問題です。ここでの解答時間は20秒です。大問3では、指定されたテーマについて英語で説明するという内容です。考える時間は1分で、解答時間は30秒です。
[平成30年度予備調査から見る、必要とされる力]
英語で話す力が問われていることはもちろん、英語を聞き取り、理解する力や基礎的な英語の語法力・語彙力なども必要とされます。
大問1はシンプルな内容ですが、10秒という短い制限時間内で、絵や動画から質問についての情報を読み取り、英語で答えなければなりません。反射的に状況を読み取り、的確に英語で答える力が求められます。
大問2は会話の内容を理解する「聞く力」に加えて、「コミュニケーション力」も必要とされます。会話は30秒程度と少し長く、一度しか聞けないので、集中して英語を聞き取らなければなりません。聞き取った内容と絵に書かれたヒントをもとに相手に伝えたい内容をまとめ、20秒以内で答える必要があります。
大問3はテーマに沿った内容を1分間でまとめ、30秒以内で「英語で伝える」ことが求められます。テーマに沿ったまとまりのある内容を考えなければなりません。また解答時間が30秒と一見短いように感じますが、実際はそれより長く感じます。4~6文程度の英文で答えることが求められます。
[平成31年度「話すこと」調査に向けて]
身近な話題について聞いたり読んだりして、自分なりに考えをまとめ、英語で相手に伝える練習をするとよいでしょう。ただし、自分なりに考えをまとめるといったことが苦手な場合は、まず、日本語でまとめる力をつける必要があります。日ごろから、自分の意見や考えをまとめる練習をしましょう。その上で、英語でどう表現したらよいかを考える習慣をつけましょう。シンプルな英文で考え、伝えることができれば十分テストに対応できるでしょう。また、予備調査からわかるように、解答時間に制限が設けられていたり、絵や動画を見て、反射的に英語を話したりすることが求められています。制限時間を意識して焦ってしまい、うまく解答できないことも考えられますので、テストの形式に慣れておくことも重要です。もちろん、英語で話している内容が理解できなければ問題に答えることができません。リスニング力の向上にも努めましょう。次回の「話すこと」調査では、予備調査から修正された内容が実施されると考えられます。英語力だけでなくまとめる力も高めてのぞみましょう。(文/学林舎編集部)
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