2019.01.18

2019年教育の行き先 2019年度中学受験に関して

  今年も、いよいよ中学入試が本格的に始まります。近年の中学入試では、2020年度から大学入試センター試験に代わって実施される「大学入学共通テスト」や、これを作るためのデータ収集を目的として、2017年度、2018年度に実施された「試行調査」の影響を受けた問題が、少しずつ見られるようになってきました。
 まず、「大学入学共通テスト」について確認しておきましょう。このテストは、高校での学習を通じて、大学教育に必要となる基礎的な力がどのくらい身についているかを評価するテストです。特に「知識の深い理解」「思考力、判断力、表現力」が重視されます。
 ここで注目したいのは、2018年6月に、独立行政法人大学入試センターより発表された「『大学入学共通テスト』における問題作成の方向性等と本年11月に実施する試行調査(プレテスト)の趣旨について」です。この発表では、この時点での問題作成方針が示されました。国語と数学については、下記のような問題作成方針が示されています。

【国語】
・言語を手掛かりとしながら、与えられた情報を多面的・多角的な視点から解釈したり、目的や場面等に応じて文章を書いたりすることなどが求められる。

・大問ごとに固定化した分野から一つの題材で問題を作成するのではなく、分野を越えて題材を組み合わせたり、同一分野において複数の題材を組み合わせたりする問題も含まれる。

【数学】
・事象の数量等に着目して数学的な問題を見いだすこと、構想・見通しを立てること、目的に応じて数・式、図、表、グラフなどを活用し、一定の手順に従って数学的に処理すること、解決過程を振り返り、得られた結果を意味づけたり、活用したりすることなどが求められる。

・日常の事象や、数学のよさを実感できる題材、教科書等では扱われておらず受検生が既知ではないものも含めた数学の定理等を既知の知識等を活用しながら導くことのできるような題材等も取り扱う。

 中学入試でも、この影響を受けた問題はさらに増えるのではないでしょうか。
「大学入学共通テスト」や「試行調査」の影響を受け、近年の中学入試で特に出題数が増えた問題は、「『分野の異なる複数の文章』『文章と図』『文章と資料』などの複数の情報を組み合わせて解く問題」です。また「日常生活での場面を設定し、学習したことを活用して解く」「知識やセンスだけに頼らず、様々な角度から多面的に考えて解く」「与えられた情報を元に、問題を解くのに必要な知識を抽出し、活用して解く」といった問題も、やはり「大学入学共通テスト」や「試行調査」を受け、出題数が増えています。児童の思考力や判断力を問う、このような出題は、今年の中学入試では、さらに増加すると考えられます。
 国語・算数の基本的な教科の力を問う問題が、今年も出題の中心であることは間違いありません。いっぽうで、ここに挙げたような「大学入学共通テスト」の影響を受けた問題が増加していくのであれば、特に難関校では、このような問題に対応し、得点を重ねた児童が、合格を勝ち取っていく可能性は高いといえるでしょう。(文/学林舎編集部)