2019.01.18

2019年教育の行き先 2019年度高校受験に関して

   現行の大学入試センター試験に代わって、2020年度から「大学入学共通テスト」が実施されます。2018年に行われた高校入試を受験した生徒が、この「大学入学共通テスト」の初年度の受験生となるため、昨年の高校入試でも大幅な変更が予測されましたが、一部の学校を除いて、難易度、分量に大きな変更はありませんでした。
 しかし、ここ数年で、「大学入学共通テスト」を見据えて「思考力・判断力・表現力」を意識した新しい切り口の問題が目立ってきており、今年度の入試でも増える可能性があります。
 今回は、国語、数学、英語について、近年の入試の傾向から、今年の入試について考えてみたいと思います。

【国語】
・話し合いやインタビューなどの会話形式の出題が増加傾向にあり、実際の言語生活の中で必要とされる言語についての知識や表現力が問われています。

・作文問題は、従来の与えられたテーマから自分の意見を述べるものや、複数の資料を読み取り、その資料から自分の意見をまとめて、他の人を納得できるように記述する、「課題解決型」の問題が2018年度の入試では増加しました。「課題解決型」の問題は「大学入学共通テスト」の試行調査(プレテスト)で出題されており、その影響を受けていると考えられます。
・読解問題では、現代社会をテーマとした出題が増え、哲学的な文章も出題されました。現代社会のさまざまな課題を解決するために、物事を根本から考える力が必要となります。そうした思考力の基礎を作る意味で、哲学的な文章が出題されていると考えられます。

【数学】
・例年、基本的な知識や計算力を必要とする問題が出されています。教科書をもとに知識を使いこなす力と正確な計算力を養うことが大切となります。

・「大学入学共通テスト」の数学では、記述式問題が導入されます。この影響から、解答の途中過程や考え方なども問う問題が多く出されており、考え方を論理的に表現する力が重視されています。

・方程式や確率などで問題文の量が多い文章題の出題が増えています。「大学入学共通テスト」に向けて、教科を問わず問題文の長文化が進むと考えられますので、読解力の養成が必要となります。

【英語】
・長文読解では、従来多かった「学校生活」、「家族」などの身近なテーマ以外に、時事的な内容や科学、産業、自然、環境、文化などを題材とした長文読解問題が増加しています。

・4技法(読む・聞く・書く・話す)で評価する方向に変化しつつあり、2018年度の福井県の入試では、英検の取得級に応じて、加点する制度が導入されました。今後、このような制度の導入が増える可能性があります。

・自分の考えを書かせる問題が増加しつつあります。例えば、2018年度の埼玉県の入試では、「AI(人工知能)」についての英文を読み、自分の考えを40語以上50語程度の英語で書く問題が出題されました。このような、時事的な内容と関連して自分の考えを書く英作文の出題も増加傾向にあります。

 ここ数年の高校入試の傾向を見る限り、今年の入試では、従来の計算、漢字の読み書きなどの基本的な「知識・技能」を評価する問題と、「思考力・判断力・表現力」を評価する新傾向問題が混在していく可能性があります。「知識・技能」型の問題と、これまでの対策では困難な「思考力・判断力・表現力」型の問題の両方に対応していくことが重要であるといえるでしょう。(文/学林舎編集部)