2019.12.10

英語教育・学習が変わる-ひょうごグローバル・リーダー育成キャンプ 2015

*2015年7月におこなわれたひょうごグローバル・リーダー育成キャンプの記事です。

ひょうご・グローバルリーダー育成キャンプ

 兵庫県の県立教育研修所(加東市)で兵庫県教育委員会主催の全て英語で活動をおこなう「ひょうご・グローバルリーダー育成キャンプ」が7月30日より実施されています。対象者は、英検2級相当の英語力をもった兵庫県の高校2年生94名がこのプログラムに参加しています。
 プログラムは夏と春の2回にわけて開催される。夏は7月30日~8月2日の3泊4日。春は3月26日~28日。参加者は、夏と春の両方を体験します。
主な内容は、

 

ひょうご・グローバルリーダー育成キャンプ

 

1.ALT(外国語指導助手)、ネイティブスピーカー(オーストラリアの学校の先生)と生活をともにし、活動は全て英語で行う。

2.課題研究のためのリサーチの仕方やディベート、プレゼンテーションについて学ぶ。

3.ALT等とのアクティビティ(レクリエーション活動)を行う。

 課題研究の概要は、5人で1つの班をつくり、ALTがコーディネイターとなって、各班でテーマを1つ決めて、班員で協力して課題研究を行います。

 夏のサマーキャンププログラムでは、
①物事を様々な角度からみて、論理的・客観的に考える方法を学ぶ。
②①の考え方を使って、ディスカッションを行う。
③①の考え方を使ったリサーチの方法を学ぶ。
④班別に取り組む課題研究のテーマを決める。
⑤スプリングキャンプまでの各班の調査・分析の進め方を立てる。

 春のスプリングキャンプでは
①効果的にプレゼンテーションを行うためのポイントを学ぶ。
②各班の課題研究の内容をまとめる。
③各班の課題研究の成果を発表する(プレゼンテーション。)

 課題研究を行っていく上で国際バカロレア対応教科書(Theory of Knowledge)と課題研究をまとめるためのStudent Handbookが配布されています。

国際バカロレア対応教科書(Theory of Knowledge)

国際バカロレア対応教科書(Theory of Knowledge)

 このキャンプの目的は「英語で考える」「英語で表現する」に的をしぼった、兵庫県では、はじめての取り組みです。そして、科目としての英語ではなく、言葉・言語としての英語をこのようなテーマで学習体験させること、公的機関では今までにはない革新的な取り組みです。
 担当者の方にお話を聞くと「今まで基本的な会話を中心とした英語キャンプは随時おこなってきましたが、こういったハイレベルの取り組みははじめてです。他府県でも一部おこなっているようですが、民間の会社さんに任せているケースが多いようです。今回のように先生たち自身が自分たちで一からALT、海外の学校で指導されているネイティブの先生たちと協力してこのようなテーマで一緒におこなうことは、今までに例のないことかもしれません。」

 

ひょうご・グローバルリーダー育成キャンプ ひょうご・グローバルリーダー育成キャンプ

 

 私自身、見学取材をさせていただき、子どもたちの様子を見ていると必死に聞き取ろう、理解しよう、英語で表現しようという姿が見れたことが大きな収穫であり、刺激になりました。そして、言語としての英語学習が本格的に進んでいくことを実感しました。課題はありますが、方向、進むべき英語学習の道に間違いはありません。
今後、このような取り組みが全国規模で行っていくことによって、英語教育、学習の現場は変わっていくはずです。(文/学林舎 北岡 響)