2020.05.07

中学数学の基礎を定着させるには?

 学林舎は「子どもに考えさせたい」「考える学習」「思考力を育てる」「表現力の獲得」など、応用的な力を身につけるための教材が多くあります。その視点から考えると正反対の教材があります。中学数学到達度テスト集です。その名の通り、学習した内容が定着しているかを確認するために、徹底的な反復を学習者に求めた教材です。

 

中学数学到達度テスト集

 

 

 

中学数学到達度テスト集

 

中学数学到達度テスト集

中学数学到達度テスト集

 到達度(点数)に達するまで、何度も繰り返し問題をおこなうトレーニングです。中学数学の基礎の多くはパターンや公式を学習することを基軸に構成されています。新しい学習指導要領に関しては、基礎の理解はもちろんのこと、数学的な表現(統計・資料など)を学習者に求めます。私の考えから言うと同じことを繰り返し学習者に求めることは、学習意欲を低下させる場合もあると考えています。しかし、定着するためのトレーニングは必要だと考えています。そう考えると矛盾する考えになってしまいますが、学習者の状況によっては反復トレーニングを積み重ねることによって、基礎学力が伸びることがあります。私自身、この教材は実は中学生の時に出会っています。制作者である亡くなった父親が、私にあたえた教材のひとつです。30年以上前の学習は、数学到達度テスト集でトレーニングした結果をテストでそのまま求められていました。当時、中学生であった私の得意科目が数学でした。トレーニングしたら効果が出てからです。

 しかし、このトレーニング学習が通じたのは、中学校という範囲でしかありませんでした。高校に入ると、数学では考えることを求められました。トレーニング積み上げた学力がほとんど、高校では通じなかったといえます。なぜ、通じなかったのかというとトレーニングを応用できる力がなかったからに他ありません。その教訓を生かして制作されてのが成長する思考力GTシリーズ算数です。成長する思考力GTシリーズ算数は、数学到達度テスト集と比較すると正反対の教材といえます。

 では、数学到達度テスト集は使えないのかというとそうではなく、使う位置づけを学習する側、指導する側ができていれば、これほど効果的なトレーニング教材はないと考えています。数学ができないと思っている学習者がいるのであれば、数学単元別数学到達度テスト集をあわせることによって、基礎学力が引き上がります。基礎学力を引き上げることによって「できない」を「できる」に思考を変えるお手伝いが、数学単元別数学到達度テスト集でできればと考えております。(文/学林舎 北岡)