2020.02.14

e-ラーニングを考える

e-ラーニングを考える

 

 近頃、学校や企業などの教育現場で「e-ラーニング」が使用される機会が増えてきています。みなさんは、e-ラーニングについてどのようなイメージを持っていますか。ハイテクノロジーのイメージはあるけれど、実際はどんなものなのかわからないという方もいるかもしれません。今回は、e-ラーニングとは何か、どのように使用されているかについて、その特徴や事例などを紹介しながら述べたいと思います。
 e-ラーニングのeは英語のelectronic(電子的な)の意味です。つまり、e-ラーニングとはコンピュータやタブレット、スマートフォンなどの電子機器を使用し、インターネット上で学ぶ学習形態のことです。学習者は学びたいコンテンツがあるページにアクセスし、そこで講義の動画を視聴したり、テストを受けたりして、対面式の学習法と同様に学ぶことが可能です。
 e-ラーニングには従来の学習形態にはない二つの大きな利点があります。その一つは、インターネットさえつながっていれば、どこでも好きな時間に学習することができるということです。従来の対面式の学習法では、講師と学習者が同じ場所に、同じ時間にいる必要があるため、予定が合わないときや体調が悪いときなどに講義を欠席すると、学習内容が抜けてしまうこともあります。しかしe-ラーニングでは、学習者がそれぞれのペースで学習することができます。一度撮影しながら講義を行えば、あとは学習者が何人いようと、同じ動画を使用できますので、講師の人件費削減にもつながります。また、例えば、支店を持つ企業などが社員研修を行う場合、遠方にいる者も含め、社員全員を同時に一か所に集めることは大変困難ですが、e-ラーニングを使用すれば、社員一人ひとりが違う場所で同じ内容を容易に学ぶことができます。

e-ラーニングを考える

 e-ラーニングのもう一つの利点は、学習者の情報を一括管理できるということです。従来、学習者の学習の進捗状況や成績は人間の手によって管理され、特に学校の教師にとって、テストの採点や成績管理は手間のかかる作業でした。一方、e-ラーニングでは、学習者が講義やテストを受けると、その情報が自動的に反映され、サーバーで管理されます。そのため、採点や成績管理の手間がはぶけ、テストの点数やクラスの平均点などを学習者自身で確認することができます。

e-ラーニングを考える

 しかし、e-ラーニングはその場に講師がいないため、学習者は疑問が出ても質問することができません。つまり、一人で学習を進めなければならないため、学習意欲を持続させる努力が必要です。また、自動車講習や医療分野など、実技が必要な学習をe-ラーニングだけで済ませることは難しいです。そういった課題を考慮し、知識や情報の導入はe-ラーニングによって行い、それを使いこなす実践はワークショップで行う体制を整えた企業もあります。また、最近ではⅤR(バーチャル・リアリティ)を用いて、実技を伴う学習を可能にしたものもあります。
 このように、いくつか課題点はあるものの、e-ラーニングによって学習はより自由に、便利にできるものになったと言えるでしょう。今後も、あらゆる分野でe-ラーニングを取り入れた学習形態は広がっていくと思われます。(文/学林舎編集部)