2020.04.17

○Cross Road 第104回 新学期  文/吉田 良治

 4月に入り新学期が始まりました。今年は新型コロナウイルス・新型肺炎の感染拡大が続いており、多くの教育機関で休校が続いており、授業を提供する場合でも学校に登校せず、オンライン授業の対応を取るところも出てきました。
 日本ではまだまだオンライン授業の環境整備が不十分です。これは教育を提供する側はもちろん、教育を受ける側も同様です。特に受け手側のネット環境によって、データの受け渡しがうまくいきません。ライブのオンライン授業になると、通信が止まってしまうことも起こります。高校までの一般授業ならライブ授業でなくても、動画データでの提供なども有効かもしれません。いかに有効な手段で質を下げない教育を提供できるか、知恵を絞るところといえます。

 

オンライン学習

 

 最近日本の教育でも取り上げ始めている双方向で行うアクティブラーニングは、ネット会議式に行った授業であっても、使えるリソースには限界があります。また、実験などが必要な理系の教育になると、実験設備は学校や大学に行かねば使用できません。特に高度な実験に関わる大学の授業になると、当然自宅でオンラインで受ける授業では対応不可能です。
 オンライン授業でのメリットも見えてきました。登下校の時間が無くなり、自宅待機で自由に使用できる時間が増えています。授業も定時に行うのではなく、自分の好きな時間に受けるということであれば、受講する際集中して取り組むことができます。自分のペースで早く授業終えることができると、別のことに時間を使うことができます。レポートも通常授業中に作成するとなると、限られた時間内に仕上げないといけないため、レポートの精度はそう高くなりませんが、レポート制作時間の制約がなくなると、レポートの質が高まってきます。
 オンライン授業の運用で注意が必要なことは、受け手側の生活習慣ではないかと感じています。学校の教室での授業は、高校までであれば毎朝定時に登校し、部活などがなければ定時に帰宅できます。つまり朝同じ時間に起きて一日をスタートさせる、規則正しい生活習慣を持つことができるのです。自宅でのオンライン授業では、朝から定時にライブ授業を受ける場合でなければ、生活習慣がルーズになる可能性も出てきます。学校教育の役割は質の高い教育を提供するだけでなく、日々の生活習慣を整えることも重要です。自宅で受講するオンライン授業であっても、いつも通り決まった時間に起きて、規則正しく生活することを続けることが重要です。

 

オンライン学習

 今回の新型コロナウイルス・新型肺炎の問題は、有効なワクチンが開発されるまでこの生活が続いていきます。おそらく通常の社会生活が戻るまで長期間要するかもしれません。いつその日が戻ってきても、すぐに適応するために、日々規則正しく生きていくこと、そこがあって初めて教育も生きてきます。適度な運動も含めて毎日心身とも健全な生活を送ることに努め、正常な社会生活が戻ってくるときに備えることは、ウイルス感染予防と同様大きなカギとなります。(つづく)

 

学生アスリート教育プログラム 紹介動画(追手門学院大学) 吉田良治さん指導

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