2020.05.22

今だから考えできること-自分の言葉を獲得する

学習方法

 

あなたなら、どう「表現・記述」しますか?

①あなたが自社に入って、他の人とちがう存在であることについて述べなさい。

②また、そのちがいについて具体的に述べなさい。

③自社に入ることが、あなたのキャリア・プランに有益になると考えた理由を述べなさい。

④自分の性格的特徴の中では、どのような特徴が強みだと考えますか。また、変えたり改善したいと思う性格的特徴はなにかについて述べなさい。

 上のようなことを論文にして入社試験前の願書と一緒に提出するように求められた大学生のうち、どれくらいの人が、相手を納得させられる文を書けるでしょうか。

 日本の会社で、こういった論文で判定をしているところはないと思います。しかし、この論文を書ける人間でなければ、グローバル社会で活躍は期待できません。

 日本の大学入試では、小論文を書くというテストがあります。しかし、これは一般的なものがテーマになったもので、予め受験勉強ができるものにすぎません。上記のように徹底的に「個人」を対象にしたものは、学習機会として存在していないと思います。たとえば、子どもたちに「学びの自分史」を書きなさいという指示を出して、例えば、現在の中学生、高校生のどれだけが書けるでしょうか。

 

問題解決力を育てる

 

 表現力の重要性を文部科学省は、新学習指導要領で示しています。しかし、学校への入口(入試)が以前と同じままであり、多くの子どもたちは試験対策のための表現力学習=小論文、作文などを書く技術の学習をしているのが現状です。

 グローバル社会で求められているのは「日本語を使って、なぜこう思うのか?」を前提に自分の考えを明示していく学習であり、学習指導なのです。

 「個」としての自分を確立させる、充実した学びを実現させることが、未来を切り拓く子どもの「知(学習知)」になるのだと確信しています。同時に、これらを実現させるには、小学1年生から高校卒業までの12年間をかけて、学習していくという長期的なビジョンを構築していく必要性があります。

 そのことを教育関係者は、意識して実行していくべき環境を整えないといけないのです。(文/学林舎 北岡)