2020.07.17

オンライン授業の メリット・デメリット

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、オンライン授業の需要が高まりました。今回はそのメリット・デメリットを考えていきます。
まず考えられるメリットとして、自分のペースで授業を受けることができること、通学・通塾時間の有効活用ができることが挙げられます。オンラインでの録画配信はこれまでもWeb授業として実施されていた経緯がありますが、小学生や中学生にとっては保護者などの監視下に置かれていない状況では、なかなか集中力が続かないなど問題点がありました。このような問題を解決するために、今回需要が高まったのは、ZoomやMicrosoft Teamsなど双方向型のLive配信です。これを使えば、お互いの顔を見ることができ、質問や発言なども可能ですので、教室と近い環境を作り出すことができます。

オンライン学習

 

 自宅での授業ということもあり、これまで不登校だった子どもも参加できるようになったという話や、普段の授業では挙手して発言するのが苦手だった子どもが積極的に発言できるようになったという話も耳にしました。単に効率的であるという面以外にも様々なメリットがあったことがうかがえます。
 他にも、塾の場合は帰宅時間が遅くなりがちですが、オンライン授業では自宅での受講となるため安全面においても安心であることや、有名講師の授業を受講できるなどのメリットも考えられます。

オンライン学習

 一方、デメリットは、ネット環境によっては授業中に音声や映像が途切れるということが挙げられます。また、自分の部屋で受講する場合、学校や塾とは違ってどうしても集中しづらく感じるケースもあるでしょう。さらに、同じ姿勢で画面に向かって座りっぱなしという状況では目の疲れや肩こりなど、健康を害する心配も出てきています。

 

オンライン学習

 また、指導する側の先生は、普段のような意思疎通やコミュニケーションができないと感じているケースもあるでしょう。ただ単に、勉強を教えるというのではなく、子どもが理解しているか、普段と様子の違うことはないか、ということに気を配るわけですから、表情や態度を見て感じることが減ってしまうのもデメリットとして考えられます。対面での緊張感や叱咤激励は、オンラインではなかなか難しい面があります。

 小学校から高等学校は現在学校が再開され、感染防止の対策を取りながら授業を行って、一部の大学では前期の授業をすべてオンラインで実施することを決めています。前期試験に関しては通常通り大学で実施するケースもあれば、すべてレポート提出になる大学もあるようです。この点で、合否を決めるような試験やその判定をするための試験をオンラインで実施するのは難しいと言えます。
ネット環境や体調面の管理などは工夫によって改善できる部分も多く、遠隔地の学校教育や海外のネイティブによる英語学習など、今後もオンライン授業が普及していくことが考えられます。メリット・デメリットを踏まえた上で、オンライン授業の有効活用が期待されます。(文/学林舎編集部)