2020.07.17

○Cross Road 第107回 対面授業とオンライン授業  文/吉田 良治

 今年は新型コロナウイルス・新型肺炎の影響で、教育機関の授業は通常の教室での対面授業をすることが難しい状況が続いてきました。高校までは分散登校など3密を避ける取り組みをすることで、教室での対面授業が再開されています。一方大学では県をまたいだ登校も少なくなく、また、100名を超える大教室での授業を受けるケースもあるため、中々教室での対面授業の再開に踏み切れない大学も少なくありません。

 

大学のスポーツマネジメント論の授業

*写真/吉田良治さんBlogより

 私がスポーツマネジメント論の授業を担当する大学では、春学期全てオンライン授業で対応しており、対面授業の再開はありません。オンライン授業もライブで学生が参加するケースと、オンデマンドによる動画形式の授業の2通りがありますが、私はオンデマンドの動画形式で対応してきました。学生とライブで双方向のやり取りができないのが難点ですが、学生によってネット環境が違うため、ライブ授業だとアクセスが集中するとフリーズしたり、大学のサーバーがダウンするといったトラブルも多く、オンデマンドで学生の都合のいい時間帯にアクセスすることを選択しました。何とか15回の授業も終え、例年通り期末レポートで最終評価をすることになっています。学生、教員、そして運営する大学それぞれが、初めての経験・対応で中々うまく機能しなかった点、反省する点も少なくありませんが、無事半期授業を終えることができました。

 

 この春は別の大学で社会人の学び直しのリカレントプログラムを担当する予定でしたが、こちらは教室での対面授業だけでなくオンライン授業での対応もしないことになりました。ただ、毎年ライフスキルの授業をさせていただいている大学が、先月より部分的に教室での対面授業を再開させたため、回数は少なくなりましたがこの春学期初めて教室での対面授業を提供しました。通常は受講人数に合わせた教室で行う授業ですが、3密を避けることが対面授業再開の条件となっているため、教室の収容人員の1/10くらいの規模の受講人数での再開となりました。
 今月は7月18日に私が理事を務める大学スポーツマネジメント研究会で、Zoomを使ったWebセミナー“ネイションビルダーを育てるアメリカの大学スポーツ”を提供します。人が集まるイベントの多く、特に室内でのイベントは、中々再開のめどが立ちません。Webを活用するケースは授業だけでなくあらゆる分野で代用ができるので、今後は感染予防という観点だけでなく、遠方で中々イベント会場へ行けない場合でも、オンラインを活用する方が便利になる、というケースが増えていくのではと考えられます。

ネイションビルダーを育てるアメリカの大学スポーツ
https://peatix.com/event/1504697/view

 

 今回教室での講義をして一つだけ気になったことは、飛沫感染を避けるためマスク着用で授業をしましたので、授業時間の多くをしゃべり続ける講師は大変です。マスク着用で呼吸がしずらいため酸欠にならないよう、これまでよりも話すペースを考えることも重要です。またオンライン授業の課題は、準備に時間がかかることです。通常教室での授業もオンライン授業も、ベースの事前準備は同じですが、オンライン授業は授業データの登録など授業時間の倍以上時間がかかります。近年大学教員は授業や研究、そして論文執筆といった業務以外、学内の会議の他雑務が増えているため、オンライン授業が増えると、さらに時間的な負担が増えていきます。この点をどう克服するのか、非常に悩ましい問題と感じます。(つづく)

 

学生アスリート教育プログラム 紹介動画(追手門学院大学) 吉田良治さん指導

吉田良治さんBlog