2020.09.01

デジタル学習とアナログ学習の融合

 長期の学校休校により、多くの子どもたちが家庭学習を中心に学習をしています。その中で、デジタル学習が注目されています。授業動画配信、学習アプリなどのタブレット学習、双方向によるライブ指導など様々なデジタル学習があります。私自身もこの機会にデジタル学習を子ども(小学校低学年)に取り入れて、実際に学習効果があるかどうかを検証してみました。計算アプリ、漢字アプリ、脳トレ、学年別算数アプリをいくつか試しにアナログ学習前のウォーミングアップとして学習させてみました。

 

デジタル学習とアナログ学習の融合

 

 過去に学習した内容に関しては、身についているかを確認するにはどのアプリも非常に効果的だと感じました。学校、家庭学習でアナログ学習した内容が身についていると実感しました。しかし、新しい漢字をアプリで学習(タッチペンや指でなぞる)するとその漢字をしっかり記憶していないことに気づきました。あくまでも、私見ですのですべての子どもに当てはまるものではないと前置きをしつつ、ノートに一旦、書かせると次の確認ではしっかり記憶して、スラスラと書いていました。
 この検証で、10年程前に京都大学の先生とお話しした内容を思い出しました。「デジタル学習は、その瞬間はしっかり理解して記憶しますが、2~3日も立てば忘れています。私たちがカーナビで道を案内されはじめ、道を覚えなくなったように。」

 

少子化学習

 

 ただ、私自身、デジタル学習はまったく学習効果がないのかといえば、そうではなく、使い方だと思います。アプリなどのデジタル学習の位置づけは、アナログ学習で身についたものを確認するための教材としては最適です。また、授業動画配信、双方向によるライブ指導による学習は実際の対面指導と同じような学習効果があると考えています。そして、様々な学習情報を知るには、デジタル機器は今後の時代を考えると必要不可欠なものと考えます。

 

デジタル学習とアナログ学習の融合

大切なのは、「デジタルですべての学習がまかなえない」ということをふまえ、デジタル学習とアナログ学習を融合させて、学習者自身が学習効果を感じることのできる学習を実施していかなければいけません。そのためには、子どもとともに試行錯誤しながら考えて、前に進むしかないのです。その先に今までと違った学習のあり方が見えてくると私は考えています。(文/学林舎 北岡)