2020.10.07

中学校の英語授業を英語でーオールイングリッシュ

Science Fusion

*写真/アメリカの教科書より

 本年度(2020年度)から中学校の英語授業を原則として英語でおこなわれているはずですが、いかがでしょうか。
 英語は英語で考える。このことによって、英語は科目学習としての英語から言語学習への英語にようやく一歩踏み出したといえます。問題は、指導する側の英語力の育成と評価方法です。文部科学省は英検などの検定システムを活用して英語力の向上に努めるとしています。しかしそれよりも、アジアなどの英語学習先進国のフィリピン、インドネシア、シンガポールから優秀な人材と日本の先生とのセットで指導をおこなったほうが効果的ではないでしょうか。大切なのは、受験や資格のための英語力を身につけさせるのではなく、進路のために必要な言語としての英語の獲得です。評価方法に関しても、母語である日本語と同じように、英語でどれだけ考えられるか、表現できるかが本来、問われる評価です。
 文部科学省は、中学校の英語による授業化にともなって小学校も3年生からも英語学習をおこなうよう指導しています。このことに対して、日本語能力の低下が懸念されています。しかし、この数十年、日本語力は低下しつづけている観点からみれば、英語学習の問題ではなく、日本語の学習に問題があることを認識せざるを得ません。英語学習同様、日本語学習も従来の国語というひとかたまりで学習するのではなく、様々な視点から聞く、読む、書くといった学習が求められるのです。(文/学林舎 北岡)