2020.10.16

教育と学習のちがい

教育と学習のちがい

 皆さんは、「教育」と「学習」の違いを知っていますか。似ているようにも思えますが、漢字の意味をそのままとらえると、それぞれ「教え育てること」「学び習うこと」となります。
大辞林(第三版)によると、以下のような意味が掲載されています。

「教育」とは…
 他人に対して意図的な働きかけを行うことによって、その人を望ましい方向へ変化させること。広義には、人間形成に作用するすべての精神的影響をいう。その活動が行われる場により、家庭教育・学校教育・社会教育に大別される。

「学習」とは…
①まなびおさめること。勉強すること。

②生後の反復した経験によって、個々の個体の行動に 環境に対して適応した変化が現れる過程。ヒトでは 社会的生活に関与するほとんどすべての行動がこれ によって習得される。

③過去の経験によって行動の仕方がある程度永続的に 変容すること。新しい習慣が形成されること。

④新しい知識の獲得、感情の深化、よき習慣の形成などの目標に向かって努力を伴って展開される意識的行動。

 

成長する思考力GTシリーズを学習した後に

 

 「学習」の意味①~④のうち、「教育」と混同されやすいのは①の意味でしょうか。しかし、「学習」と「教育」を比べてみると、例えば、「子どもたちを教育する」「学校教育」などのような使い方をしますが、「子どもたちを学習する」「学校学習」のようには使いません。「学習」を使う場合は、「子どもたちが学習する」「学習参考書」などとなります。
 つまり、「教育」とは受動的で第三者の意思によるもの、「学習」とは能動的で自分自身の意思によるもので、それぞれがまったく別のものだということがわかります。そう言われると、「教育」よりも「学習」のほうが良いと思われる方もいるかもしれません。しかし、「学習」するきっかけを与えるために「教育」が必要な場合や、「学習」よりも「教育」のほうが、個人差が出にくいこともあり、どちらが良いのかを判断するのは難しいのが現状です。
 しかし、子どもたちにとって一番大切なことは、「教育」してもらうのではなく、自ら「学習」しようとする姿勢です。この姿勢がなければ、大人がどれだけ「教育」をしても、子どもが継続的に成長していくことは難しいでしょう。「教育」されることに慣れてしまい、自ら考えて行動する力、何事に対してもやる気を持って取り組む力などが失われていってしまいます。そうならないために、私たち大人が出来ることは、「学習」しようとする子どもたちを「教育」でサポートすることではないでしょうか。(文/学林舎編集部)