2020.11.17

生き方の立ち位置を変えるー99%の論理力と1%のひらめき

思考力ひらめき

 教育現場の先生方は、子どもたちに様々な知識、教養を求め、指導する。保護者の皆さんは、教育現場の先生、我が子に夢を求める。先生から求められ、親から求められ、子どもたちはいつしか受け身の存在となってしまった。
 受け身の存在になってしまった子どもたちが大人になり、社会で働くようになり、親になる。
 そして、その子どもたちは社会がうみだす「不安」に押しつぶされそうになりながら、前に進もうとしている。では、未来を生きる子どもたち、私たち大人は何を学び、何を身につけることによって、「不安」を超えていけるのだろうか。

思考力ひらめき

〇論理的に考える

 直感、ひらめきは大切。それ以上に、論理的にものごとを考えることは重要である。教育現場の多くは、論理的な説明がないまま、知識を教えている状況がある。「なぜ? 時間内に計算を競い合わなければいけないのか?」「なぜ? 歴史の教科書は原始時代からなのか?」「なぜ?・・・・・・」と。抽象的かつ、経過的目標を提示され、多くの子どもたちは学習をしている。そして、むきだしになった情報を客観分析できないまま、不安だけを高めている。大人たちもそうかもしれない。しかし、論理的な思考と直感、ひらめきを学ぶことによって、生き方との立ち位置を変えることができる。

思考力ひらめき

〇「なぜ?」を共有する

 学校という枠では「なぜ?」に関して、共有することは既存のカリキュラムではできない。「なぜ?」とは、学習者である子どもたちが問題や知識に対して思う「なぜ?」である。この「なぜ?」こそが論理力を身につけるためのはじめの一歩。「なぜ?」に対して、子どもたちが何時間でも、何日でも考えられる空間が求められる。

思考力ひらめき

〇不安の根底にあるもの

 不安の根底にあるものは何なのか。大人の多くは、今の生活を保てなくなることが不安であり、老後を安心して暮らせないことが不安である。そんな背中を見る子どもまで「老後が心配です」「年金もらえるのかなぁ」と。この不安の根底にあるものは「国」「世間」の存在である。「国」「世間」という存在がどういうものであるのかを論理的に考えることによって、この不安は希望に変化する。

思考力ひらめき

〇99%の論理力と1%のひらめき

 「不安」を超えていくには、論理的に考えることが重要だが、論理力だけでは不安を払拭することはできない。ものごとを論理的に考えるには、まずひらめき=仮説が必要である。「理由はよく分からないけど、もし、○○だったら?」という仮説があって、はじめて論理力が発揮できる。仮説がないものを論理的に考えることは難しい。仮にできたとしたならば、それは論理力ではなく説明である。説明は、既存の知識を習得し、それを変換することによって成立する。しかし、それでは不安を超えることはできない。

 教育現場に必要なのは、生き方の立ち位置を変えることのできる“99%の論理力と1%のひらめき”を習得できる“学び”である。1週間の内、1日でも1時間でも「なぜ?」に対して、仮説検討し、そのことについて、とことん考える時間、対話する時間をもつことによって、「不安」を超えるための論理力とひらめきを身につけることは可能である。ひらめきから生まれる論理力、思考力を信じて、今を超えていこう。(文/学林舎 北岡)