2020.12.18

学校での英語学習の現状に関して

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 2020年度より教育改革がスタートし、まず、小学校で新学習指導要領が全面実施されました。英語教育においては、「英語を使う力」を伸ばす方針のもと、小学3・4年生で週1コマ程度の外国語活動の授業が新たに設けられました。また、小学5・6年生ではこれまでの外国語活動として英語に慣れ親しむための授業から、2020年度より算数や国語、社会などと同様に教科としての「外国語」の授業となりました。教科化したことから、外国語活動では成績はつきませんでしたが、2020年度からは成績がつくことになります。
 小学3・4年生では「話す」「聞く」力を、小学5・6年生ではそれらに「読む」「書く」力が加わり、4技能がバランスよく養われます。小学校で学習する語彙は600~700語(中学校で学習する語彙の約半分)に増加し、中学1・2年生で学習する疑問詞、助動詞、動詞の過去形などの文法事項を扱った表現も取り上げ、中学でスムーズに英語を学習できるよう基礎的な力を育みます。

アメリカの教科書

 新教科書では道案内やレストランなど、日常生活で実際に出会うさまざまな場面で用いられる単語や表現を学習します。はじめに、ゲームや歌などで楽しく学習し、そのあとに音声を聞いてその内容を理解したり、自分のことやクラスメイトのことについて英語で話したり書いたりと、段階的に英語を学習します。
 次に、小学校に続いて中学校でも2021年度には新学習指導要領が実施されます。習得語彙数が1,200語程度から1,600~1,800語程度に増加するのに加えて、現行では高校での学習内容である現在完了進行形、仮定法などを新たに学習することになります。また、これまですべての学校では行われていなかったオールイングリッシュの授業が導入されます。教師も生徒も含め、授業でのやりとりがすべて英語になるのです。

表現力を育てる

 さらに、これまでの「聞く」「話す」「読む」「書く」の「話す」に「やりとり」、「発表」の2領域が追加されます。これまでの「読む」「書く」を中心とした指導から、「聞く」「話す」にも力を入れ、4技能をバランスよく学習します。
 教科書にはQRコードが設けられ、家でも気軽に音声を聞いて英語を学習することができるようになります。授業ではペアワークやスピーチ、作文など、さまざまな課題を通じて、より実践的な「英語を使う力」を養います。
 これらの教育改革を受けて、高校入試は大きく変化するでしょう。習得語彙や文法が増加したことから難化することが予想されます。また、これまでの「聞く」「読む」「書く」試験に「話す」が追加される都道府県も出てくるでしょう。英語教育は日々変化をしています。生徒や保護者のみなさんは、入試や将来を見据えて情報を収集することが大切です。そして、早い段階から対策することで、英語を味方にしましょう。(文/学林舎編集部)