成長する思考力GTシリーズ国語 読解力特化
成長する思考力GTシリーズ国語 読解力特化は要約・表現力を育てるための教材です。
この教材の特徴は、大きく2つあります。
(1)長文を3 分割して読解問題を学習、最後に長文をもう一度読ませ、要約・表現力を問う問題を学習。
(2)物語文(1-3 回16P)は「博士の愛した数式(小川洋子著)」、説明文(4-6 回16P)は「国語は好きですか(外山滋比古著)」の2 種類の文章から構成されています。問題のための文章ではなく、文章を理解するための問題と位置づけています。そのため、学習者には学習前、学習後でもいいので、全文を読んでもらいたいと考えています。
(教材内容)
この教材の最も特徴的なことは、同じ文章を二度読むことです。
「トライ1~トライ3」で短めの文章を読み、「トライ1~トライ3」すべてをまとめた長文をもとに、「文章の読解・要約演習」(*下記ページ見本参照。)を行います。
・「トライ1~トライ3」(学習時間の目安 各回10分)
子どもが読解しやすいように文章を短く区切ったものです。ただ文章を読むだけでは、集中力がとぎれるため、簡単な漢字問題、文法・語句問題、読解問題を取り入れています。読解問題は、簡単な言葉を文章から抜き出すような問題であり、その問いに書かれている文章自体を読むことが、要約力をつける練習にもなっています。
・「文章の読解・要約演習」(学習時間の目安 20分~30分)
本書の核となる部分です。「トライ1~トライ3」までの演習で、ある程度、文章の流れ、文意をつかんだ上で、三つの文章をまとめた長めの文章をもとにして、本格的な読解と要約演習を行います。長い読解・要約問題については、その読解文・要約文をまとめやすいように、簡単な問題にいくつか答えた後、自分で答えたその解答をもとに作文するというステップ方式をとっています。
この教材の対象者は中学生と考えていますが、高校生で読解、表現力の基礎を強化したい生徒にも使えます。小学生であっても、GTシリーズ国語5-4 級を学習できる力があれば、辞書片手に学習することが可能です。
学林舎は子どもたちに「思考する時間」を与えたいという想いが根幹にあります。現在、子どもたちの多くは、ゆっくり考える時間が生活においても、学習においてもありません。
これは大人においても同じことかもしれません。デジタル化やSNS(Social Networking Service)の発達により時間は細分化され、分刻みで何かをしている時間が多くなりました。そのことにより、一人で考える、思考する時間は極端に少なくなり、人によっては、まったく失ってしまった場合も少なくありません。一人で思考する時間を失ったことによって、多くの表現する力を失ったと私は考えています。表現する力を養っていくには、言葉の深化が必要です。切り取られた情報を過剰に摂取して、知識量が増え、説明することは多様になったかもしれませんが、表現する力、自分の思考から生まれる言葉を育てることは難しいです。表現する力を育てて行くには、自分自身に問いかける思考の時間が必要です。
成長段階の子どもには様々な学習、体験の経験化は必要です。そのためのトレーニング学習は必要不可欠です。問題なのは、バランスや距離感です。偏りすぎた学習は、学習者を固めます。一回、固まったものをほぐすには時間と労力が必要です。目の前の目的や目標を設定し超えていくことは、日々の学習には必要です。しかし、漠然とした目の前の目的や目標を設定し超えていくだけでは、自分が求める頂には到達することは難しいです。目的や目標に対しての自分の位置、距離感を意識する必要があります。バランスや距離感を保つためには思考する時間が必要です。
学林舎は子どもたちの思考する時間、思考することの大切さを「成長する思考力GTシリーズ」を通して、伝えることができればと願っています。(文/学林舎 北岡)
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