2021.07.07

子どもたちに今、必要なことはなんでしょうか

 コロナによって、先延ばしにしていた様々な課題がうかびあがってきました。現在も混沌とした状況ですが、大人はもちろんのこと子どもたちが未来を切り拓いていくにあたって必要な力を大人は考え、子どもたちと共に歩まなければなりません。

 

思考力ひらめき

 

 私たち大人の多くは、ついこの間まで何の疑いもなく「学校」という組織体を通過し、社会にでてきました。学校を通過することにより、そこで様々な学問を学び教養を身につけてきたと思っていました。それが今日の学校をみると、先生はもちろんのこと生徒たちも何か不安を感じながら、日々を過ごしているように思います。つまり、偏差値の高い学校を通過した先に、輝かしい人生があるという過去の幻想が崩れ始めているといえます。
 ここ数年、「学校を通過すること」に対して多くの子どもたち、保護者が疑問を抱きはじめていることは確かです。それは、年々増える不登校の数、学校・学級崩壊、大学全入時代といった状況が実証しています。なぜ、このようなことが起こるのか?それは、依然回復しない景気も大きく関係していますが、根本は、大人も子どもも含め「自分の未来の構想、デザインができない」ことが原因ではないでしょうか?つまり、多くの人間が「生きているという充実感」「何のために生きているのか」という目的や目標を自分自身が感じることも表現することもできなくなっているからではないでしょうか?その原因のひとつは私たちが受けてきた教育にも問題があるかもしれません。しかし、それに対して何の疑問も持たず「誰もがそうだから」といって捉えてきた私たちにも問題があります。
そのことに気づいた今こそ、私たち大人は子どもたちと一緒にもう一度学び、共に築きあげていかなければいけないのです。

 

褒めて伸ばす

 

 現代社会では、私たちは信じられないくらい様々なもの、そして目的や夢まで与えられています。それを私たちは選択し、消費するというくりかえしで終わらせてしまっています。子どもたちにしても「学校」という場所は知識を与えてくれるという点だけに終始しているように思えます。しかし、あたえられた場所を変えることは子どもたちにはできません。子どもたちに今、必要なことは、子どもたちを変えるのではなく、子どもにかかわる大人の意識を変えることが重要です。
教えるだけの大人から、学びつづける大人へと変わらなければいけません。その大人の姿勢を子どもは見ています。そういった姿を早い段階から子どもと共に「場」をつくりだすことが必要です。そのことによって子どもたちは、与えられたものを選択し、消費していくという行為から何かを創造することに変わりはじめていくのです。

 私たち大人も自分が生きていることが実感できる目的や目標をもう一度、見つけなければいけません。そして、それに向けて学ぶことが子どもたちの見本となるはずです。(文/学林舎 北岡)