2022.12.16

求められる自己評価

成長する思考力

 「自己評価は、自ら学ぶ意欲などを見る上で有効であるばかりでなく、児童生徒が自分自身を評価する力や他人からの評価を受け止める力を身に付け、自己の能力や適性などを自分で確認し、将来を探求できるようにするためにも大切である。」と示しています。近年、このような自己を評価する能力が、児童生徒に求められています。

■自己評価とは
自己評価とは、児童生徒が、自分自身で自分の学力、性格、態度、行動等を客観的に評価し、それをもとに、自分の今後の学習や行動を改善していくという一連の活動です。

 

共通テストから見えてくる 求められる学力

■自己評価能力を高めるためには
自己評価能力とは、児童生徒が、学習を通して自分自身の能力を認め、その能力を高めるために、自分自身で学習し、考えていく能力です。
自己評価能力には、自分の学習状況を理解する、自分の学習成果について反省する、反省をもとに解決策を考える、といういくつかの段階があり、自己評価能力を高めるためには、次のようなポイントが必要だと考えられます。

①自分の学習に対する目標を設定する。
学習に対する見通しを持つために、より具体的な内容の目標を立てることが大切です。具体的に目標を設定することによって、自己の学習の過程や内容を明確にすることができます。目標を設定することは、自己評価能力を高めるための重要な第一歩になります。

②自己評価の基準をつくる。
自己の目標の達成状況を知るために、指標となる基準をつくります。自己評価では、何をどう振り返るかがとても重要になります。

③基準にそって、設定した目標の達成状況を評価する。
基準にそって評価することで、何ができていて、何ができていないのかを明確にすることができ、自己評価能力を高めることにつながります。

④他者からの評価と組み合わせて、客観的に自己を評価する。
自己評価は、自分で自分を評価するものですが、児童生徒の判断は、甘すぎたり厳しすぎたりし、同じ基準を用いて評価しても差異が生じることがあります。そこで、他者の視点での評価をとり入れ、自己評価と組み合わせることによって、より正確な客観的自己評価ができるようになると考えられます。

⑤自分の学習の不十分なところを改善するための方法を考える。
自己評価によって分かった、学習の不十分なところをどのように改善していけばよいか、その方法を考えます。

⑥自分の学習成果をよりのばすための方法を考える。
学習の不十分なところだけでなく、目標が達成できた内容についても、さらにそれをのばしていくことが大切になります。そのための方法を考えます。
自己評価能力を高めるためには、上記のようなポイントをもとに、教師が児童生徒への指導を工夫していくことが重要であると考えられます。(文/学林舎編集部)