2022.12.23

小学生のうちに読んでおきたい本

 読書は国語の読解力の強化だけではなく、子どもたちの想像力や思考力を高めるのに役立ちます。また、小学生時代に読書の習慣をつけることができれば、中学生、高校生、そして大人になっても、様々な本に触れ視野が広がるものです。そこで、今回はおすすめの本をいくつか紹介します。

○小学校低学年~中学年向け

オタマジャクシのうんどうかい [ 阿部夏丸 ]

 


■『オタマジャクシのうんどうかい』
阿部夏丸(作) 村上康成(絵) 講談社
赤ちゃんのときにザリガニにしっぽを切られたオタマジャクシのタマは、かけっこでみんなのスピードについていくことができません。平等に競走できる方法を考えますが…。

 

おばあさんのひこうき [ 佐藤暁 ]

 


■『おばあさんのひこうき』
佐藤さとる(作) 村上勉(絵) 小峰書店
いなかの町外れに暮らすおばあさんはどんなものでも楽々編める編み物の名人です。ある日黒いちょうちょうの美しい模様をまねて毛糸で編んでみたところ、それはふわふわと浮き上がり、とうとう飛行機になったのです。

 

トマトのひみつ [ 山口進 ]

 


■『トマトの ひみつ』
山口進(作・写真) 福音館書店
トマトの独特なにおいには、虫に食べられないように自分の体を守る不思議な力があります。トマト畑に巣を張ったクモと昆虫たちの命のドラマを写真で展開しながら、トマトの秘密を解き明かします。

○小学校中学年~高学年向け

甘党仙人/濱野京子/ジュン・オソン

 


■『甘党仙人』
濱野京子(作) ジュン・オソン(絵) 理論社
陸の友だちの翔は、日本生まれですが両親は中国人。翔のところへ中国からおじいさんが訪ねてきたので、陸も一緒にごちそうを食べました。中国のお話の絵本の表紙に、おじいさんにそっくりな仙人が描かれてい
るのを見つけた陸は、おじいさんは仙人なのではない
かと考え始めて…。

 

小学五年生 [ 重松清 ]

 


■『小学五年生』
重松清(作) 文藝春秋
クラスメイトの突然の転校、近しい人との死別、見知らぬ大人や、転校先での出会いなど、小学五年生の少年たちを主人公にした珠玉の短編集。

 

イチロー果てしなき夢 [ 義田貴士 ]

 


■『イチロー 果てしなき夢』
義田貴士(作) 学研
少年時代からメジャーリーグでの大記録達成までをたどったノンフィクションです。イチローの知られざる努力、生き方や考え方を取材し、夢を達成した原動力を探ります。

これらは、必ず読まないといけないというものではありません。まずは、書店や図書館に行って、子どもたちが読んでみたいと思った本からきっかけを作ってはどうでしょう。物語だけでなく、低学年では写真絵本や図鑑、高学年では科学の読み物や伝記など、ジャンルを広げて読書を楽しめるとよいですね。長く読まれている名作、流行作家の作品と、新旧問わず読んでおきたい本はたくさんあります。また、上記で紹介した阿部夏丸や重松清の作品は中学入試にも頻出で、他に伊集院静、あさのあつこ、森絵都などの作品からよく出題されています。説明的文章では、岩波ジュニア新書をはじめ、大人向きの新書などから出題されています。なかでも、池内了、稲垣栄洋、榎本博明、鷲田清一などの作品は頻出です。
詩や随筆、海外の作品に魅せられる子どももいるでしょう。インターネットでも読書案内をしているサイトがありますし、『小学生のための読解力をつける魔法の本棚』中島克治(小学館)という読書術と読書案内が書かれた本もありますので、子どもたちへすすめる指針としていただければと思います。