現在、「未来に向けて、子どもたちに何を準備させるのか？」という問いが浮上しています。これまでの教育指導や学習指導では対応できない課題が明確になってきており、子どもたちに求められるスキルや資質も多岐にわたっています。

まず、人としてのリテラシー＝教養が重要です。これは社会で生きていく上で必要な基本的なマナーや道徳観、コミュニケーション能力などを指します。また、グローバルな感覚も求められています。国際的な交流が盛んになっている現代社会では、異文化理解や国際的な視野を持つことが必要とされています。さらに、多言語の習得も重要なスキルです。世界の国々とのコミュニケーションをスムーズに行うためには、異なる言語を理解し話す能力が必要です。これによって、国際的なビジネスや文化交流においても活躍できる機会が増えます。

また、思考から実施の行動力も大切です。ただ知識を持っているだけではなく、それを実践に生かす力が求められています。自ら考えて行動することで、問題解決能力や創造力を養うことができます。協調力や独創力も重要な要素です。現代社会では個人だけでなく、チームやグループでの仕事も多くなっています。協力して目標を達成するためには、協調力が必要です。また、独創力があることで新しいアイデアや解決策を生み出すことができます。

これまでの教育指導や学習指導では、繰り返しの非論理的な練習が行われることが多かったと言えます。しかし、このような方法では目的や目標が希薄になりがちです。学習現場でも、できることの繰り返しを強要してきた現実があります。確かに繰り返しの正確さは技術力を高めることに繋がりましたが、現在の日本の状況では技術だけではなく、他のスキルや資質も必要とされています。なぜなら、人口の減少や内需需要の低下といった状況が進行しているためです。技術を持っていてもそれが生かせない現実があるのです。このような状況を教育現場は直視しなければなりません。未来を築くためには、子どもたちが必要とするスキルや資質を見極め、それに合わせた教育を提供する必要があります。

各教育現場での役割は異なるかもしれませんが、最終的な教育的指標は変わりません。「子どもたち自身が、自分で考え、自分で選択し、自分で人生を切り拓いていく力を身につけるためにサポートする」ということです。大人たちは個々の教育現場でできることを見直し、実行していくことが重要です。子どもたちの未来を考え、彼らが持つ潜在能力を最大限に引き出せるように努めましょう。（文／北岡　響）