2020.05.27

通常の学習カリキュラムの限界-先行学習の必要性

単元担当制

 

 公立学校の先生から「通常のカリキュラムを夏休み削って、土曜日も削って詰め込み指導して、学習成果があるのかどうか疑問です」という声を聞きました。公立学校の場合、カリキュラムは教科書を基盤に1年という時間を使って指導ができるように組まれています。私立や民間教育機関はどうでしょうか。私立などは柔軟に先行学習などを取り入れ、半年でその学年の基礎学習を終わらせる学校もあります。中学入試などの進学塾は、受験をする最終学年の段階で小学校の基礎学習は終了して、受験対策に入ります。補習塾に関しても、先取り学習を進めているところが増えています。私立、進学塾などに関しては、コロナ以前からこういった取り組みをおこなってきました。対面指導がこの数か月間できなかったということで、多少なり遅れは生じているかもしれませんが、オンライン授業や教材の提供によって、カバーしている状況です。

 

単元担当制

 公立学校に関しては、一律、平等に教育、学習を提供するというシステム(管理)の構築から、イレギュラーな事案に対して弱い部分があります。地域の現場レベルで動くことができる学校もありますが、ごくわずかです。動きたくとも、動けないというのが現場の声ではないでしょうか。この数か月、政府の動きを見ていてもそれはよくわかります。ただ、その動きに対して待っていても状況はいつかは改善するかもしれませんが、いつなのかはわかりません。今回に限って言えば、再び感染が拡大し、学校が再び休校になる可能性もあります。そういった中で、子どもたちに与えるだけの教育、学習では限界があります。小学校低学年、未就学児童に関しては難しいかもしれませんが、「自ら学習する、自ら学ばなければ、未来を創ることはできないという」ことを今まで以上に自覚させる必要があります。「教えてもらっていないからできない」という言葉は禁句です。「自分で考えて、いろいろ調べたけどわからない」というのであれば共に考えて、共に学べばいいと私は思います。「価値観は変わったのか?変わらなかったのか?」で「教えてもらっていないからできない」という言葉は、社会では通用しないと述べましたが、あらためて通用しないと同時に思考の停止を意味する言葉だと私は思います。
 思考の停止を防ぐためにも、今考えてできることを考えて学習につなげていく必要があるのです。その一つに先行学習が必要なのです。(文/学林舎 北岡)